生理中のニオイの原因と対策について医師が伝えています

経血を養分として繁殖する雑菌や血液に含まれる鉄分などの酸化が原因

健康な体づくりをし、通気性のよい下着などで清潔に保つことが大切だそう

生理のときの臭い対策、してますか？

生理中の臭い、特に、デリケートゾーンの臭いは気になる方も多いのではないでしょうか。まずは原因から探っていきましょう。

生理中のデリケートゾーンの臭いの原因は？

臭いが発生する原因は一つとは限りません。さまざまな要因が複雑に絡み合い、臭いの発生につながることもあります。以下に臭いの原因となりうるものをご紹介します。

経血

子宮の内側は、子宮内膜でおおわれています。この子宮内膜は常にしっかりとした膜や層を形作っているのではなく、生理中に壊れた細胞や毛細血管、剥離した層からの出血とともに経血として排出されます。このとき、壊れた細胞に含まれるタンパク質や、血液に含まれるさまざまな成分が臭いの元となります。

また、経血を養分として雑菌が繁殖される過程で、特有の臭いが発生します。血液に含まれる鉄分やほかの成分が空気中で酸化する際にも、臭いが発生してしまいます。

菌の繁殖しやすい環境

人が生活する環境にはどこにでも何かしらの菌が存在しています。普段は気にならないこの雑菌が、臭いの原因となります。たとえば夏場、湿気の多い汗ばむ季節は、肌の上も雑菌の繁殖しやすい環境になります。また、手や足など汚れのつきやすい場所も雑菌が繁殖しやすいと言えるでしょう。

デリケートゾーンは、アンダーヘアや下着の生地で蒸れやすいもの。さらに生理中は、経血などの汚れが付着しやすいため、雑菌が繁殖しやすい場所といえます。

ストレス

疲れやストレスがたまって肌の上の環境が荒れていると、雑菌の繁殖を抑える体の働きがうまく作用しないことがあります。たとえば、緊張やストレスを感じる環境下では分泌される汗の質も変わり、雑菌の繁殖にも影響が出ます。このような状況のもとでは、免疫活動も弱くなりがちです。

生理中は、ホルモンバランスつまり体の中のバランスにも一定の変化が生じますので、それ自体が精神的な憂鬱にもつながります。痛みやそのときの一時的な問題も関与するでしょう。

生理中の臭い対策

臭い対策には、前述した原因を排除することが大切です。以下に具体的な方法を説明します。

雑菌の繁殖を抑える

臭いを対策するには、雑菌が繁殖しにくい環境を作ることが大切です。そのためにはまず、清潔な状態を保つことが必要です。臭いの元となる経血を長時間放置しないよう、ナプキンはできるだけこまめに取り換えましょう。アンダーヘアを常に短く整えておくこと、通気性のよい下着を選ぶことも、臭いを抑えるよい対策です。できるだけ乾燥した状態、低温の状態を保つ工夫を行いましょう。

健康な体づくり

免疫機能は身体や精神が良好な状態のもとで有効に働きます。健康な生活を送るためには、食事と運動、そして睡眠を適切にコントロールしましょう。日ごろ積み重なったストレスや疲れは、免疫機能を低下させ、さまざまな症状を誘発します。生活をしっかりと管理して、ストレスや疲れの多い現代社会と付き合っていく必要があるでしょう。

人間の体には、「恒常性」が備わっています。これは、急に環境の変化が起きても、一定のバランスを保とうとする働きです。恒常性は外的な刺激で自由に操作できるものではありません。そのため、普段から自分の体に意識を傾け、月経周期に合わせて体調を整える必要があります。

臭いの元となる菌を繁殖させないよう、規則正しい生活を心がけましょう。

また、臭いの原因を知り、できるだけ原因を排除する対策を講じることも大切です。

(この記事の監修：​ 吉井クリニック 院長 / 吉井友季子 先生)

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